モバイル業界の定石を見直す: Rahul Atriさんにインタビュー

今回は楽天モバイルのオートメーションCoE(センターオブエクセレンス)部門を統括しているRahul Atriさんを紹介します。彼のチームは、楽天モバイルのイノベーションを推進しており、従来は人の手で行われてきたさまざまな作業を自動化するとともに、楽天モバイルの5Gアーキテクチャの構築なども担当しています。

2019年10月、Rahulさんと彼のチームは、世界初となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワーク(注1)の商用化と運用を開始しました。

日本に来る前はどんな仕事を?

私はごく普通の、ごく一般的な通信エンジニアとしてキャリアを始めました。ただ、幸いにも、早い段階で新規立ち上げを行う通信事業者とスタートアップで働く機会を得られ、数多くのことを学びました。私が最初に担当した仕事は、ネットワークをゼロから設計して、その監視・運用方法を決めるネットワーク(RF:無線周波数)プランニングでした。

この仕事を担当している間、私がいたチームは、数行の「簡単なコード」で、はるかに高い効率性と信頼性でタスクを実行する事例をいくつか発見することができました。このことがきっかけで、通信業界の外に目を向け、ソフトウェアや研究開発について学びたい気持ちが芽生えました。

そんな中、現在楽天モバイルのCTOを務めている Tareq Aminさんと出会い、複数のプロジェクトやソリューションを共同で手がけました。私が楽天モバイルに来たのは、彼のお陰です。彼から、私が興味を持ちそうな仕事があると言われ、楽天モバイルに誘われたのです。そして、今こうしてここにいるわけです。

あなたの部門の業務内容を教えてください。

私の部門は、オートメーションCoE(センターオブエクセレンス)といいます。ネットワークとそのライフサイクル全体を手掛けるチームです。

(私たちのアプローチは)物事が、どう行われているのか、を考えるのでなく、どう行われるべきか、を考えることです。

オートメーションCoEとは、簡単に言うと、ソフトウェア開発とDevOps(注2)のことです。通信というよりむしろウェブスケールな会社に近いことをしています。私たちはネットワークに必要なあらゆる要素をどうシステムに組み込むか、そして、それらの要素の管理、プロビジョニング(注3)、セキュリティやアップグレードを担当しています。楽天モバイルでは、これらを自動化してオートメーションで管理しています。

私たちはアーキテクチャの設計にも関わっており、楽天モバイルの5Gネットワークとアーキテクチャの将来像を描いています。

仕事で最もわくわくする瞬間を教えてください。

毎日が新鮮です。想定外のことも起こります。過去に誰もやったことがないからです。完全にクラウドネイティブなモバイルネットワークというのは世界初(注1)で、定石もなければ裏技もありません。毎日新たな面白いことに遭遇し、それが最もわくわくする瞬間です。

私たちが今取り組んでいることが、世界中の人たちの定石となるのです。そこにやりがいを感じます。

チームの雰囲気を教えてください。

若くて、意欲に溢れています。平均年齢は30歳ほど。彼らは標準的なプロセスにこだわらず、独創的なソリューションを見つけることが好きです。「15~20年間の経験では、こうやって解決してきた」などという言い方はせず、問題点をただちに解決します。

私たちにとっては、現状を変えたいというのがモチベーションになっています。過去にどう行われたかを考えるのでなく、どう行うべきか、どうすれば達成できるかを考えるのです。課題に遭遇したときには、問題点について話し合うのではなく、解決方法について話し合います。

これは世界初(注1)。定石も裏技もないのです。

楽天モバイルでの経験は過去の仕事と比較してどう感じていますか?

過去に勤めていた会社はスタートアップか大企業でした。楽天モバイルは、その両方の要素を併せ持つ唯一の会社だと思います。ブランドとしては大企業ですが、気持ちはスタートアップです。私たちは機敏さ、学習意欲、スタートアップの文化に加え、大企業の方針、セキュリティ、楽天グループ内のシナジー効果も併せ持っています。

楽天モバイルの良いところは、オフィスに足を踏み入れても「オフィス」という感じがしないことです。世界各地から来たあらゆる国籍の人たちがいます。まるでたくさんのことを学べて多くのことにチャレンジできる大学のようです。しかも、ここでは今まで誰もやったことのない経験を得られます。歴史の1ページになる仕事に関わっているわけです。

将来的のキャリアについて教えてください。

私は通信とソフトウェア両方の経験があるという点で恵まれていると感じています。それぞれの長所、短所を知っているので、その知識を生かしてソリューションを開発できます。

新しく入ってくるメンバーには、「こんなチャンスは誰にでもあるわけではない」と言っています。普通は、通信エンジニアかソフトウェアエンジニアどちらかです。エンジニアは一般に1つのレイヤか、1つのネットワーク要素だけを手掛けます。しかし楽天モバイルのオートメーションCoEチームでは、ソフトウェア、ハードウェア、通信、クラウド、インフラストラクチャ、エンドツーエンド・ネットワークの全部を担当しています。

楽天モバイルは私にチャンスをくれました。通信の道に進むことも、ウェブスケールの道に進むこともできますし、楽天モバイルでの仕事を続けていくこともできます。楽天モバイルの良いところは、単なる経験年数でなく、自分の能力とスキルに対して評価してもらえる点です。

個人的には、楽天モバイルに入社したことで1人の担当者からチームのマネジャーへと成長できました。ソリューションをデザインしていた誰か、から、プラットフォーム全体の設計者になったのです。おかげでキャリアを5~10年先に進めることができたと思います。

ここで得られるのは、過去に例のないプロジェクトの経験です。歴史の1ページになるのです。

 

楽天モバイルへの入社を考えている人に何かアドバイスはありますか?

テクノロジーと問題解決が好きな、私のような人へのアドバイスがあります。これまで、大企業よりスタートアップの方がやりがいと成長の機会が豊富だと考え、スタートアップに就職する人をたくさん見てきました。もしあなたもそうした考えを持っているなら、たぶん楽天モバイルはぴったりでしょう。

役員とはどのようにコミュニケーションをしていますか?言葉の壁や異なるバックグラウンド、知識量の差を乗り越えながら、さまざまな国の人たちとどう協力して問題を解決していますか?

こういうことは、学んでいくしかありません。困難に直面しながら、仕事面でも個人的にも成長していきます。PowerPointで作るプレゼン資料のことは忘れて、ホワイトボードを使って、一緒に問題を解決していく。これが楽天モバイルで働くことの一番のメリットだと思います。

Rahul Atriさんは、楽天モバイルのオートメーションCoE(センターオブエクセレンス)部門を統括しています。彼のチームは、イノベーションとオートメーション、並びに、楽天モバイルの5Gアーキテクチャの設計・立案を担当しています。

  • (注1)大規模商用モバイルネットワークとして(2019年10月1日時点)/ステラアソシエ調べ
  • (注2)DevOpsとは、ソフトウェア開発方法の1つで、開発(Development)チームと運用(Operations)チームが連携・協力して、スピード感をもってシステムの開発・運用に取り組むこと。
  • (注3)プロビジョニング(Provisioning)とは、ネットワークを必要な時に必要な分だけ提供できるよう、リソースを事前に準備しておくこと。

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