楽天モバイル、NEDOにより採択された「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の研究開発を開始

- 海外市場を視野にOpen RANソフトウェアの共通化・検証システムの効率化を推進 -

 楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization、以下「NEDO」)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(JPNP20017)」の開発テーマの一つである「(c8)O-RANインテグレーション基盤技術の開発」に採択され(注1)、2023年7月3日(月)より「高度化Open RANインテグレーション基盤の研究開発」(以下「本研究開発」)の実施内容にて研究開発を開始したことをお知らせいたします。

 本研究開発では、楽天モバイル傘下の楽天シンフォニー株式会社と協働し、通信事業者向けのOpen RANにおける共通ソフトウェアやPoC環境モデル、品質検証の自動化システムの開発等を行います。昨今Open RANにおいては、マルチベンダー構成による低コスト化や柔軟なネットワーク構築が期待される一方、通信事業者や、国・地域それぞれのニーズの違いから、インテグレーションの複雑化が課題視されています。そのため、本研究開発により、通信事業者ごとに異なる周波数や要求される機能などOpen RANのソフトウェアの共通化や、その検証システムの効率化を目指します。また、Open RANのインテグレーション(注2)の高度化により、その効率化や、Open RANの標準化を図ることで、特定のベンダーに対する依存を回避し、サプライチェーンの強靱化に寄与してまいります。具体的な研究開発内容は以下の通りです。

■実施内容: ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(JPNP20017)

画像1列配置

・研究開発項目:ポスト5G情報通信システムの開発(助成)
・研究開発テーマ:(c8)O-RANインテグレーション基盤技術の開発
・期間:2023年7月から2026年6月(予定)
・研究実施内容:高度化Open RANインテグレーション基盤の研究開発

① Global向けOpen RAN共通ソフトウェアの開発
通信事業者や国・地域により異なる要求仕様を満たすような、Open RANソフトウェアのマスター化を図るため、オペレータ環境非依存の共通ソフトウェア(O-DU/O-CU/クラウド基盤)を開発します。これにより、インテグレーションの効率化を図り、通信事業者のOpen RANへの導入障壁を下げることを狙います。

② PoC環境モデルの開発
Open RANのインテグレーションに関するPoC環境構築には時間を要するため、楽天モバイルの商用Open RANネットワーク運営で蓄積された知見を生かし、通信事業者向けの共通クラウド化されたOpen RANのPoC(注3)環境モデルを確立します。

③ Global向けOpen RAN自動品質保証システムの開発
Open RANのソフトウェア・通信機器において、O-RAN ALLIANCEが規定する検証項目の試験自動化を目指し、品質保証システムを開発します。

④ Global向けField PoC実施
海外において通信事業者のField PoC(注4)の実証結果を、Open RAN自動品質保証システムの検証環境にフィードバックさせる仕組みを開発し、継続的に進化する品質保証環境を確立します。

(注1)「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発(助成)」に係る実施体制の決定について
https://www.nedo.go.jp/koubo/IT3_100272.html
(注2)ソフトウェアやネットワークなどを組み合わせて一体化し、情報通信システムを構築すること。これにより、マルチベンダー構成でのOpen RANが実現できます。
(注3)PoC(Proof of Concept)とは、概念実証のことで、新たなアイデアやコンセプトの実現可能性やそれによって得られる効果などについて検証することです。
(注4)Field PoCとは、通信事業者のネットワークを用いて動作確認・検証することを指します。

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以上

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