ドローン活用の事例:楽天グループのテクノロジーを活かした楽天モバイルの新たな取り組みとは

ドローンのテクノロジーイメージ

楽天モバイルでは、2020年11月から携帯電話無線基地局(以下、基地局)を開設する工程の一つである「現地調査」において、ドローンを活用した新しい取り組みをスタートしました。「現地調査」とは、作業員が基地局の設置検討箇所、建物の屋上や、コンクリート柱の建設予定地に出向き、資料上だけでは把握できない敷地の詳細を目視等で調査することです。

ドローンの利活用が、全国各地で進めている基地局開設プロセスにどんな影響を与えるのか、この取り組みにかかわっている、澁谷絵里加さん(楽天モバイル株式会社 基地局設置統括部)、上中龍基さん(楽天株式会社 無人ソリューション事業部)、中澤満さん(楽天株式会社 楽天技術研究所)にお話を聞いてみました。

ドローンを利用した調査イメージ

写真上から楽天株式会社 楽天技術研究所 中澤さん、楽天株式会社 無人ソリューション事業部 上中さん、楽天モバイル株式会社 基地局設置統括部 澁谷さん。

 

基地局開設のさらなる効率化を目指して

上中:2020年4月から、基地局の竣工検査にドローンを導入し、これまでに多数の検査を実施してきました。今回はその第2弾として基地局開設前の「現地調査」においてドローンの活用を開始しています。2020年11月末から2021年1月末までに、関東エリアの約60箇所で活用しており、今後、関西方面でもドローンを飛ばして「現地調査」を行う予定です。

澁谷:実は基地局は、設置前にさまざまな調査が必要なんです。「現地調査」は、「この土地に基地局を建てて良い環境なのか」、「周辺の建物で電波の届く範囲が狭くなってしまうのではないか」など、いくつもの条件を事前に調査して設置状況を確認・判断することが目的です。工事会社の皆さんが現地へ出向いて調査を行っているのですが、基地局は、看板の上など事前の調査が難しい場所に設置することもあります。そうした場合には「現地調査」を行うためだけに、足場を組まなければなりませんでした。足場を組むとなると看板のオーナーさんから許可を取り、設置業者を手配するなどと時間もコストもかかってしまいます。ドローンのおかげで足場を組む必要がなくなり、時間もコストも削減された良い活用例もでてきました。

上中:仮に、基地局を設置する高さを20メートル地点と想定している場合、ドローンを活用すればきっちり20メートル地点からの情報を得ることができます。地上からの目視や、熟練された作業員の感覚に頼ることなく、調査をすることができます。周辺にある電波の障害物になりうる高い木々や建物などを明確化するだけでなく、遠くのビルの屋上にある他社のアンテナ設置状況なども詳細に確認することもできます。

また、ドローンでは同地点のさらに上空、高さ50メートル付近からの撮影を行うことができるため、より広域に360度見渡すことができます。これにより周辺の道路状況も確認できるので、基地局建設工事のトラックなど工事関連車両の適切な走行ルートも事前に計画を立てることができます。これも大きなメリットだといえます。

「現地調査」でドローンを活用する様子。

澁谷:調査時間も短縮できるメリットがあります。これまでは1箇所に約1時間かかっていましたが、ドローン調査では10~15分に短縮できました。そのため近場に調査箇所があれば、1日に5~6件をまわれるようになりました。またドローンで「現地調査」を実施した約60箇所の物件においては、その多くで標準より納期短縮ができた結果もみられました。

 

AIによる画像解析がさらにスピードと精度をあげていく

中澤:「竣工検査」や「現地調査」でのドローン活用は、常に進化しているプロジェクトです。楽天技術研究所では現在、アンテナの角度計測など「竣工検査」を自動化するために、ドローンで空撮された画像をAIで解析する研究に取り組んでいます。また今回の「現地調査」においても楽天技術研究所が持つAIによる画像解析技術を活用できる可能性は非常に高いと思います。例えば、電波障害になりそうな高い建築物や木々の検出、電波干渉の観点から近くのアンテナ設置状況の確認など「現地調査」の中で目視確認が困難なことは何か、また時間がかかる作業を自動化できないかと日々ディスカッションを進めています。さらに「竣工検査」や「現地調査」のプロセス自体も改善・最適化できないか考えています。その際には楽天技術研究所がこれまで蓄積してきたAI技術やノウハウを展開できそうです。

澁谷:楽天モバイルは、自社回線ネットワークエリアの拡大に向けて、基地局開設計画を大幅な前倒しで進めています。常識を覆すスピードで、プロジェクトを進めるためには、常に従来の手法とは違う切り口や、新しい方法も検討し、効果が見込める場合はスピーディーに実装することが大切だと思っています。今回のプロジェクトについては社内のシナジーをフルに活用して、構想から最初のドローンを活用した調査の実施までわずか1カ月でした。楽天らしいスピード感をもったアクションが実現できました。

上中:積極的にドローンを活用することで、全国への自社回線ネットワーク拡大に貢献していきたいと考えています。また災害時などの臨時点検においても、ドローンを活用していきたいですね。こうした取り組みがドローン利活用のワールドスタンダートとして通信業界に定着できるよう、楽天グループ内のシナジーを最大限活用した取り組みを行っていきたいです。

 

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