【CEOメッセージ】本格サービス開始から2周年を迎えた楽天モバイルを支えるテクノロジー
平素より「楽天モバイル」のサービスをご愛顧いただきありがとうございます。
楽天モバイル株式会社は、2022年4月、携帯キャリアサービス「楽天モバイル」の本格提供開始から2周年を迎えました。新規参入して以来、当社は、モバイル業界において様々なイノベーションを創出してまいりました。
楽天グループには、イノベーションを創出する企業文化があります。楽天グループの注力事業を担う当社は、2018年4月に総務大臣より4Gサービス用の1.7GHz周波数を割当てられて以来、周波数を最大限に活用し、より良いサービスをお客様に提供するべく、従来とはまったく異なるアプローチでモバイルネットワークを構築しています。
楽天モバイルの仮想化技術
当社は、世界初(注1)となる「完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワーク」を構築しています。今日、様々な産業で活用されているクラウド技術をネットワーク構築に導入することで、迅速かつ柔軟に、コスト効率のよいネットワークの構築技術を確立しました。
仮想化技術を全面的に取り入れることで、ハードウェアとソフトウェアの分離に成功し、従来は困難だったマルチベンダー制の導入に成功しており、ベンダーの独自技術に縛られないユニークさを持っています。また、仮想化技術により、標準化された汎用ハードウェアを最大限活用し、従来のモバイルネットワークと比較して、設備投資を40%削減しています。
戦略的かつ効率的な基地局の設置
モバイルのネットワークにおいて重要な役割を担う基地局の効率化にも力をいれています。4G用の基地局には、4つの送信アンテナと4つの受信アンテナ(4Tx4R)を備えた160Wの高出力無線機を使用しています。また、アンテナと無線機を一体化させることで、従来型の基地局と比較して、1サイトあたりエリアカバー率を30%向上させています。
また、基地局設備を仮想化技術で可能な限りソフトウェアに置き換え、省スペース化を実現しており、基地局の用地確保とサービスエリアの展開を加速してまいりました。
当社は、割り当てられた4G用周波数の特性を最大限活用し、お客様からのネットワーク需要に応じたサービスエリアを構築するため、マクロセル、マイクロセル、インドアセル、フェムトセルを柔軟かつ戦略的に配置し、基地局設置の高密度化にも注力しています。屋内外で4Gおよび5Gサービスエリアを構築するために、既に25万台を超える無線機を稼働させています。
これらのイノベーションにより、当社は、予定を約4年間前倒しして、2022年2月に楽天回線エリアの4G人口カバー率96%を達成しています。
5Gが本格化する時代に向けて
楽天モバイルでは、サービス開始時から5G本格化を見据えた「5Gレディ」なネットワークを構築してきました。仮想化技術により、ソフトウェアの更新で5Gネットワークの展開を可能にしました。
今後、モバイルネットワークに対するニーズが多様化する中、ネットワーク機能の継続的な改善も必要となります。既に、当社の5Gネットワークは、完全に「コンテナ化」されており、マイクロサービスアーキテクチャに基づいて構築されています。
楽天モバイルの5G基地局はすべて、Massive MIMO(注2)に対応しており、お客様により良い5G体験を提供する準備も進めています。当社に割り当てられている5G用周波数(ミリ波で400 MHz幅、Sub6で100 MHz幅)を最大限活用し、今後、超高速、超低遅延、多重接続といった真の5Gを実現するサービス提供も目指していきます。
世界的に評価されている「Open RAN」
仮想化技術により、楽天モバイルは世界に先駆けて、「Open RAN」(注3)による商用ネットワークを構築しています。既に、楽天モバイルの通信品質は高い評価を受けています。
ドイツ・アムラウト社が行った世界主要都市におけるモバイルネットワークの調査によると(注4)、東京における楽天モバイルのネットワークは1,000点中945点の「Very Good(非常に良い)」と高い評価を受けました。ロンドンやローマなど、トップ評価を受けた8つのグローバル都市のモバイルネットワークを上回り、ランキング上位都市であるシドニーやチューリッヒなどのモバイルネットワークに迫る評価を受けています。他の事業者と比較しても、当社ネットワークのパフォーマンスは高い評価を受けています。
今後も、当社は、お客様へのよりよいサービス提供を目指し、ネットワーク技術を向上させ、継続的な品質改善に努めてまいります。引き続き、「楽天モバイル」へご期待ください。
(注1)大規模商用モバイルネットワークとして(2019年10月1日時点)/ステラアソシエ調べ
(注2)Massive MIMO(Multi Input Multiple Output)とは、数十から数百のアンテナを一カ所に集積してデータを送受信することで通信経路の安定化や高速化を図る技術です。
(注3)Open RANは、無線の送受信装置などの仕様をオープンにして、様々なベンダーの機器やシステムとの相互接続を可能とする標準化された無線アクセスネットワーク(RAN)です。
(注4)アムラウト社のレポートは以下ウェブサイトをご覧ください。
https://www.umlaut.com/en/benchmarking/japan (英語のみ)
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