災害時でも利用できる通信環境の提供を目指し、避難所での「Starlink」活用を検証

楽天モバイルでは、災害時にも被災者の皆さまが簡単に情報収集できる通信環境の提供を目指すこと、また迅速な復旧活動ができるよう、「そなえる、つなぐ、よりそう」をモットーに、日々取り組みを行っております。災害等で伝送回線が切断された際や、基地局そのものが故障した際にバックアップ回線や避難所での無料Wi-Fi®ルーターとして、米SpaceX社の「Starlink」を活用できるように、全国の拠点への配備をし、有事に備えています。

今回は、避難所を想定し実際に近い環境下(体育館)で行った「Starlink」の設置・検証について、ご紹介します。

■災害時のネットワーク提供に向けた設置・検証

屋外に設置する「Starlink」のアンテナと、世代の異なる2つのWi-Fiルーターを組み合わせ、避難所と同じ環境を想定して設置し、検証を行いました。

「Starlink」設置・検証に使用した機材

始めに、「Starlink」アンテナの設置方法を再確認しました。避難場所によっては状況が異なること、また、天候状態によっても設置方法が異なることを認識しました。地面が土やアスファルトなど、必要な場合はコーンで囲ったり、強風に備えて転倒防止の機具を付けて固定を強化するなど、様々な状態に備えて工夫して設置した方が良い点を議論しました。議論を通して、有事に被災地へ支援をすることを想定し、被災者の目線に立ったマニュアルの改善につながりました。また、現地で対応するメンバーが迅速に迷わず対応できる体制を整えることができました。

次に、屋外に設置した「Starlink」アンテナと、直接接続する親機となるWi-Fiルーターとメッシュ接続を行う子ルーターを接続し、設置方法を再度把握しました。この設置方法で、広い体育館や、遮蔽物がある離れた場所でも良好な通信が接続できるよう、検証を行いました。

 

避難者の数や避難所の規模など、刻一刻と変化する状況を想定し、どのような支援が必要か、何ができるのかを検討しました。現地での対応を想像することで、今後のレクチャーに活かせる実践的な知識が向上しました。

ルーターの接続・設置の様子

設置したルーター(右のルーターは壁に掛けることも可能)

避難所によって接続環境も異なるため、親ルーターの位置を変えるなど、様々なシチュエーションを想定して設置方法を検討しました。避難者数・避難所規模に応じて、どのような対応が最適かを深く考察することができました。この知見を活かし、現地対応マニュアルに反映し、より実用的なものへと進化させていきます。

設置方法の検討の様子

ルーター接続後、通信速度や接続の安定性を確認するテストを行いました。高速通信や低遅延を一人ひとりが実感し、避難所支援時に自信を持ってサービスを提供できる意識を高めることができました。

スピードテストの様子

今回の検証は、避難所設置を前提としたソリューションですが、関係部署との確認を通して、潜在的な課題や改善点を発見することができました。

実際の避難所を想定して、避難所での無料充電ステーションも設置

 

各地域のリエゾンリーダーが集結

今回の検証では、全国各地のリエゾン(災害対策現地情報連絡員)リーダーが一堂に集まり、それぞれの場所で災害が起きた際、避難所での設置がスムーズに行えるよう、検証に参加しました。

検証後には、設置・検証を行った感想や、改善点について意見交換が行われ、活発な議論が繰り広げられました。各支社のリエゾンリーダーからは、地域特性や季節変動(出水期から豪雪期)を考慮した被災地支援の課題を出し合い、共通課題の認識とその解決案について議論が深められました。広域支援を視野に入れた連携強化により、相互の強みを活かした対応策を協議し、チーム力を向上させることができました。今後は、今回の協議内容をマニュアルに反映し、避難所における通信環境の安定提供を目指し、継続的な改善を図っていきます。

全国各地から参加した皆さん

今回の検証の責任者を務めた、災害対応支援課 課長 山崎 淳子さん、アシスタントマネージャー 久保 香子さん、萩原 真慈さんに感想を伺いました。

山崎さん:災害がいつどこで発生するか分からない状況だからこそ、備えることが重要だと考えています。今回の取り組みで、迅速に避難所での通信環境を確保でできる体制が構築できると考えています。どのような状況下でもユーザーが繋がる環境を提供するため、今後も新たな取り組みを導入し、現地でのオペレーション体制も強化していきたいと思います。

久保さん:今回の検証は、有事の避難所提供と外部貸出における課題抽出につながり、様々な視点からの意見交換を通じて、より実効性の高い対策を検討する上で、貴重な機会となりました。現場の負担を軽減しつつ、多くの人々の安心につながるよう努めていきたいと考えています。

萩原さん:実際に災害が起きた際にスムーズに動けるよう、今回の様に避難所を想定した場所での検証を行ったことは、課題や懸念点を見つけ出せるという点でも非常に有意義な時間になったと思います。また、災害時にも安心してご利用いただける通信環境の構築を目指すという点での一人ひとりの意識もより高まったと思います。

楽天モバイルは今後も、災害時におけるサービスの安定的な提供を目指し、日頃からの備えと、お客様に寄り添った災害対策の強化に努めてまいります。


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