リアル×VR！5Gバーチャルフィールドワークにフランス、イタリア、日本の学生が参加

楽天モバイルは、筑波大学と実施している「5G 体験デザイン特別共同研究事業」（注1）の一環として、2022年1月に5Gとヘッドマウントディスプレイを活用した5Gバーチャルフィールドワーク（注2）に参加しました。

このフィールドワークは「歴史的都市の再生」をテーマに、筑波大学と国際協定校との共同プロジェクトの一環として行われました。この中で楽天モバイルは、埼玉県川越市の「川越弁天横丁」の建物や街並みの映像を、国内および海外の4拠点にライブ配信しました。

当日は、フランス・グルノーブル・アルプ⼤学 （UNIVERSITÉ Grenoble Alpes）から23 名（うち教員3名）、イタリア・ミラノ⼯科⼤学（Politecnico di Milano）から 20 名（うち教員3名）、筑波⼤学から23 名（うち教員4名）の、総勢  66 名が参加しました。また楽天モバイルからは5Gビジネスソリューション企画部のメンバーも参加しました。

川越市からより多くの情報を遠隔地に届けるために、3つの360度カメラを用いて異なる視点の映像を各国の参加者に配信しました。参加者は、ヘッドマウントディスプレイや専用のアプリケーションを利用して「川越弁天横丁」の街並みを視聴し、各自の目的や好みに応じて３つのカメラ映像を切り替えながら講義を受けました。また、360度カメラのライブ映像とローカルガイドの解説を組み合わせて配信することで、コロナ禍でも海外の学生が日本の伝統的な建築デザインについてより深く研究・議論する機会を創出しました。

 カメラ映像の種類
　1.　高い視点から街並みを映した「Bird’s-eye（鳥瞰） View」
　2.　目線の高さで街並みを映した「Street View」
　3.　ローカルガイドが建物を紹介する「Building View」

参加者同士のインタラクションからの学びを重視
「川越弁天横丁」にいるローカルガイドは、主に付近の建物や関連する歴史、文化や暮らしについて紹介しました。参加者は、映像を観ながら現地のガイドの説明を聞くとともに、気になるスポットについてはリアルタイムに質問を行うなど、インタラクティブに質疑応答も行われました。

専用アプリケーションや5G技術を活用することで遠隔講義のデメリットを軽減
パソコン用アプリケーションには、３種の配信映像の他に、楽天モバイルが開発した3Dマップが表示されています。このマップでは、それぞれのカメラが今どこの位置で撮影を行っているのかをリアルタイムに把握することができます。また映像をヘッドマウントディスプレイで視聴することで、現地の360度の動画をより臨場感・没入感のある映像として体験できることを確認しました。なお、楽天モバイルでは映像配信の一部に5Gネットワークを活用し、大容量の映像をフィールドワーク終了まで安定して受信することができました。

参加した学生からは「この地域に対する理解が深まった」（グルノーブル・アルプ大学生）、「現地に行くことができないので、このソリューションは非常に有効だった」（ミラノ工科大学生）といった遠隔地や現在のコロナ禍で現地を訪問できない状況の解決策としてバーチャルフィールドワークに満足した多くの感想が寄せられました。また指導に当たった教授からも、「気軽に海外と共同演習ができて臨場感のあるフィールドワークが実施でき、新しい可能性を感じた。コロナ終息後にも需要があるのではないか」とコメントをいただきました。楽天モバイルとしても、教育分野での初めての5G技術の活用体験でしたが、多くの知見を得ることができる機会となりました。

また、本取り組みは、2021年度国際創造学フェスティバル（注3）の招待公演でも発表され、楽天モバイルから5Gビジネスソリューション企画部の井上 円さんが登壇しました。

楽天モバイルは今後も、新たな5G体験を研究開発してまいります。

（注1）「5G 体験デザイン特別共同研究事業」の詳細は、以下ウェブページをご参照ください。https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2021/0415_01/

（注2）フィールドワークとは研究者自身が研究テーマに即した場所を訪れ、対象を直接観察したり、インタビューを行うことで、通常の講義だけでは得ることが難しい情報を現地で集める活動です。

（注3）「2021年度国際創造学フェスティバル」の詳細は、以下ウェブページをご参照ください。https://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/dpd/2133/