楽天モバイル、英国グラスゴー大学とエッジコンピューティングに関する共同研究に合意

- 産学連携によりエッジコンピューティングの研究を促進 -

 楽天モバイル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:山田 善久、以下 「楽天モバイル」)は、グラスゴー大学(英国・グラスゴー)とエッジコンピューティングに関する共同研究を実施することに合意しました。楽天モバイルは今後3年半にわたり、同大学コンピューティングサイエンススクール(注1)の博士研究補助員および博士課程学生に資金援助等を行い、エッジコンピューティングにおいて通信を最適化し、安全性を担保するためのモニタリング方式や、トランスポート層プロトコル(注2)に関する共同研究を行います。

 本共同研究は、グラスゴー大学上級講師のDr. Colin Perkins(コリン・パーキンズ)とDr. Jeremy Singer(ジェレミー・シンガー)が指揮します。第5世代移動通信システム(以下「5G」)のネットワークなどに利用される大規模なエッジコンピューティングのインフラと、それを利用するサービスの運用を簡素化するための次世代の管理ツールの試作を目指します。本共同研究の成果は、楽天モバイルが提供するネットワークの安全性の向上や低遅延化にも活用する予定です。

 本共同研究について、楽天モバイル ネットワーク研究部の研究部長である今井 ピエールは、次のように述べています。「楽天モバイルのエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークの効率をより高めていくために、エッジコンピューティングは必要不可欠なものです。この先進的な技術研究を世界トップクラスの研究者と共に進められることを大変嬉しく思います」

 グラスゴー大学の研究チームは、ネットワーク内およびエッジでのデータ処理、トランスポート層プロトコル、プログラミング言語ランタイム(注3)などについて、豊富な経験を持っています。「英国工学・物理科学研究会議(EPSRC)」が資金援助するプロジェクト「FRµIT」(注4)の試験環境も運用し、エッジコンピューティングにおける新たなアプローチについて研究しています。

 グラスゴー大学上級講師のDr. Colin Perkinsは次のように述べています。「楽天モバイルのチームと5Gネットワークの管理について共同研究を進められることを嬉しく思います。この研究によって、博士課程学生は管理ツールの展開方法を学びながら、次世代のネットワークプロトコルや標準仕様の改善を行うことができます」

 また、グラスゴー大学上級講師のDr. Jeremy Singerは次のように述べています。「この共同研究は、システムソフトウェアと応用ネットワーキングの専門知識を持つグラスゴー大学の強みを活かしたものです。博士研究補助員と博士課程学生にとって、研究成果を5Gネットワークの品質向上に役立てられることは貴重な経験となるでしょう」

 楽天モバイルは本共同研究を通じ、5Gネットワークにおいて重要な要素となるエッジコンピューティングによりトラフィックの低遅延処理を実現する新たなアプローチを検討し、安心かつ高品質なネットワークを将来にわたり提供できる仕組みを構築してまいります。

(注1) グラスゴー大学については同大学のウェブサイトをご覧ください。
https://www.gla.ac.uk/
(注2) トランスポート層プロトコルとは、通信における送受信データの制御や通知、交渉などを担う機能の手順や規約を指します。通信の信頼性の確保やフロー制御などの仕組みに関する機能、仕様が定義されています。
(注3) プログラミング言語ランタイムとは、プログラミング言語を実行するために必要なプログラムを指します。
(注4) FRµIT(The Federated RaspberryPi µ-Infrastructure Testbed)とは、グラスゴー大学を含む英国4大学のチームによって進められている研究プロジェクトです。エッジコンピューティングのインフラにおける縮小化や低廉化、低消費電力化についての研究を行っています。


以上

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