楽天モバイル、Stand Alone方式の5Gモバイルネットワークにおいてデータ通信の実証に成功

 楽天モバイル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:山田 善久、以下「楽天モバイル」)は、Stand Alone方式5Gモバイルネットワーク(以下「5G SA」)におけるデータ通信の実証を国立大学法人東京工業大学(住所:東京都目黒区、学長:益 一哉、以下「東京工業大学」)の協力を受けて東京工業大学大岡山キャンパスで行い、2021年7月4日に成功しました(以下「本実証」)。

 5G SAは、無線アクセスネットワーク(RAN)からコアネットワークまでを5Gの通信技術に基づき構成したモバイルネットワークです。5G SA方式では、「超高速・大容量」、「超低遅延」、「多数同時接続」という5Gの特徴を最大限に活かせることが期待されています。また、ネットワークに対する高度な制御により、エンドツーエンドのネットワークスライシングを実現することで、幅広いネットワークの用途に合わせて最適なサービスの提供が可能となります。

図は5G NSAと5G SAの違いを表しています。楽天モバイルは、4Gモバイルネットワークにおいて、5Gを見据えた世界初(注1)の完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを構築し、2020年9月より、4Gのコアネットワークに5Gの基地局を連携させるNon Stand Alone (NSA)方式で5Gサービスを提供しています。

 本実証では、東京工業大学の大岡山キャンパスで5G SAに対応した端末を用いて5G SAネットワークのデータ通信テストを行い、安定した5G SAの稼働を確認しました。また、楽天モバイルは既に計画に沿って、2021年6月24日に商用5Gネットワークの一部において5G SA機能の導入を開始しています。本実証で得られた結果を5G SAネットワークの品質向上や、商用サービスの展開に向けた準備に活用していきます。

 今後、楽天モバイルは、5G SAで、ネットワークスライシングやエッジコンピューティングなど、5Gで本格的に実現する様々な機能の動作検証を順次行う予定です。また、楽天モバイルは東京工業大学と協業して(注2)、5Gネットワークを活用する様々な実証実験に向けた取り組みを進めています。引き続き、社会における5G活用に向け、同大学と技術開発を進めます。

 楽天モバイルの5G SAは、完全にクラウドネイティブなモバイルネットワークとして「Rakuten Communications Platform」(以下「RCP」)(注3)上で稼働しています。コンテナ(注4)やマイクロサービス(注5)が導入され、RANからコアネットワークまでエンドツーエンドでCNF(Cloud-Native Network Functions)(注6)として機能しています。

本実証における5G SAネットワークのイメージ本実証における5G SAネットワークのイメージ

■本実証における楽天モバイルのクラウドネイティブ5G SA

  • 5G RANでは、分散ユニット(vDU)を稼働させ、IP伝送路を通じて集約ユニット(vCU)に接続しています。これらの機能は5G NSA方式で既にコンテナ化されており、CNFとして稼働しています。オープンな規格に準拠したOpen RANにより、高い安全性と透明性を確保しています。
  • 5GCは、今回、新たにコンテナ化され、マイクロサービスアーキテクチャに基づき設計された5GCを導入しています。CNFとして稼働する5GCにより、ネットワークの機能向上を短期間かつコスト効率よく進めることが可能となります。
  • 楽天モバイルのクラウド技術は、COTSサーバー(商用汎用サーバー)やKubernetes(注7) といった汎用技術を用いつつ、独自に開発した高度なネットワークの自動制御によって、各ソフトウェアの要件・特性にあった細粒度での資源割当を実施できます。これによって高い通信の要求品質を満たすことが可能となりました。これらは「RCP」 のソリューションとしてRANや5GCに限らず、当社内の他システムでも活用されています。

(注1)大規模商用モバイルネットワークとして(2019年10月1日時点)/ステラアソシエ調べ
(注2)東京工業大学との連携について、詳しくは当社プレスリリースをご覧ください。https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2021/0416_01
https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2021/0419_01/
(注3)楽天モバイルが開発する「RCP」は、完全仮想化された、クラウドネイティブでソフトウェア中心かつOpen RANベースのモバイルネットワークプラットフォームです。クラウドや仮想化、オープン化の力を活用することで、通信事業者の5GとOpen RANの導入を加速させます。
(注4)コンテナ技術とは、OS(オペレーションシステム)上に他のプロセスからは隔離されたアプリケーション実行環境を構築することで、仮想的な動作環境をより少ないコンピュータリソースで実現する技術のことです。
(注5)マイクロサービスは、小さな独立した複数のサービスでソフトウェアを構成する、ソフトウェア開発に対するアーキテクチャ的、組織的アプローチです。
(注6)CNF(Cloud-Native Network Functions)とは、クラウドネイティブ化されたネットワーク機能を指します。
(注7)Kubernetesとは、コンテナ化したアプリケーションをデプロイ、スケーリング、管理するための、オープンソースのシステムです。なお、KUBERNETESはThe Linux Foundationの登録商標です。


以上

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