楽天モバイルとドイツ・ミュンヘン工科大学、ネットワーク検証へのデジタルツイン活用に関する共同研究を開始
- 楽天モバイルの完全自律ネットワークに関する研究を加速 -
楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)と欧州有数の研究大学である、ドイツ・Technische Universität München(以下「ミュンヘン工科大学」)は、ネットワーク検証へのデジタルツイン活用に関する共同研究を実施することに合意しました(以下「本合意」)。本合意に基づき、両者は、IoTなどを活用して物理空間の情報をほぼリアルタイムでデジタル空間に送ることで、物理空間の対となる環境をデジタル空間に再現する技術であるデジタルツインを活用した、完全自律ネットワークの技術検証方法について研究を進めていきます。
楽天モバイルは、ネットワークの更なる運用効率化・品質向上を目指し、環境に合わせて進化する完全自律ネットワークの研究を進めています。現在のネットワークでは、多様な通信へのニーズに対応するために必要なロジックをエンジニアが生成、検証、適用しています。一方、完全自律ネットワークでは、人工知能(AI)をネットワーク自体に組み込むことで、ネットワークで使用されるロジックの生成、検証、適用をネットワーク自体が単独で実行し、自律的な進化を実現します。この完全自律ネットワークの構築には、膨大なデータと高度な適応型試験環境や、従来とは異なるネットワークの検証技術が必要となります。
今後、楽天モバイルとミュンヘン工科大学は、自律ネットワークを含む未来のネットワークの設計要件へ十分に対応可能なネットワーク試験環境の構築にデジタルツインを活用する方法を研究します。デジタルツインを活用して、物理空間に存在する実際のネットワークの特徴をデジタル空間で再現することで、シミュレーションや試験環境でのネットワーク検証の高度化を目指しています。
本共同研究は、楽天モバイルのリサーチ エンジニアリング リードであるリオン・ウォン(Leon Wong)と、ミュンヘン工科大学の電気・コンピューター工学科の通信ネットワーク講座の責任者であるヴォルフガング・ケレラー(Wolfgang Kellerer)が指揮します。楽天モバイルは、今後2年間にわたり、ミュンヘン工科大学の博士研究員と博士課程学生に対して研究助成を行い、デジタルツインおよびモバイルネットワークへの適用検証を共同で研究していきます。
楽天モバイルのAI・自律ネットワークのグローバル ヘッドであるミロ・サレム(Miro Salem)は次のように述べています。「ネットワークにおける意思決定技術は、ここ数年で大きく進歩しています。今後、効率的かつ信頼性の高いネットワークの検証を実現するためには、デジタルツインが基本的な要件となると考えています」
ミュンヘン工科大学の電気・コンピューター工学科の通信ネットワーク講座の責任者であるヴォルフガング・ケレラー(Wolfgang Kellerer)は、次のように述べています。「将来、ネットワークは最小限の人的介入で運用されるようになるでしょう。今回の共同研究対象であるデジタルツインと新しいベンチマークのコンセプトは、自律ネットワークの運用管理と環境適応の基礎になると考えています」
■ミュンヘン工科大学について
ミュンヘン工科大学(TUM)は、600人以上の教授、48,000人の学生、11,000人の学術・非学術スタッフを擁する欧州有数の研究大学です。同学は、工学、自然科学、生命科学、医学、そして経済・社会科学を重点分野としています。ミュンヘン工科大学は、才能を促進し、社会に価値を創造する起業家的大学で、科学および産業界に強力なパートナーがいます。シンガポールのTUM Asia Campusをはじめ、北京、ブリュッセル、ムンバイ、サンフランシスコ、サンパウロにオフィスを構え、世界中に展開しています。ルドルフ・ディーゼル、カール・フォン・リンデ、ルドルフ・メスバウアーなど、ノーベル賞受賞者や発明家がミュンヘン工科大学で研究を行っています。2006年、2012年、2019年にはドイツの 「優秀大学」に認定されました。国際的なランキングにおいても、ミュンヘン工科大学はドイツ最高の大学として定期的にランクインしています。
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