楽天モバイルと楽天シンフォニー、Open RAN技術の展示施設「Open RANカスタマーエクスペリエンスセンター」をイギリスに開設

- 総務省の予算事業に採択、欧州・中東アフリカ地域におけるOpen RAN普及・啓発に貢献 -

 楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)と楽天シンフォニー株式会社(以下「楽天シンフォニー」)の子会社であるRakuten Symphony UK LTD(以下「楽天シンフォニーUK」)は、イギリス・サリー州ウェイブリッジに拠点を置く楽天シンフォニーUKの施設内に、欧州・中東アフリカ地域の通信事業者・通信機器サプライヤー等向けにOpen RAN技術の展示を行う「Open RANカスタマーエクスペリエンスセンター」(以下「本センター」)を2023年3月までに開設することをお知らせします。安全でオープンかつ透明性のある5G等のネットワーク構築に資するOpen RANの更なる国際的な普及・発展を図るため、楽天シンフォニーUKは、本センターにおいて機器の相互接続性等の評価、Open RAN技術の普及・啓発の為の最新技術の展示、ワークショップ等の開催を実施していく予定です。

 モバイルネットワーク技術の一つであるOpen RANは、無線の送受信装置などの仕様をオープンにして、様々なベンダーの機器やシステムとの相互接続を可能とする標準化された無線アクセスネットワーク(RAN)です。モバイルネットワークへの需要が多様化していく中、Open RANによりマルチベンダー構成を実現することで、柔軟な機器調達やネットワークの構築コストの削減が可能となります。また、オープンな規格に準拠しているため、安全性や透明性の高いRANの構築にもつながります。

従来のRANとOpen RANの違い

 総務省とイギリスのデジタル・文化・メディア・スポーツ省(Department for Digital, Culture, Media & Sport、以下「DCMS」)は、2022年3月4日に公表した通信サプライヤー多様化に関する共同声明において、「相互運用可能な機器やOpen RAN等の、オープンなインターフェースの開発を加速させるための産業界のパートナー支援を検討していく」と公表しています(注)。総務省は、この取り組みの一環で、総務省予算事業として、日本国内の通信機器サプライヤーおよびグローバルのサプライヤーとの間で相互接続検証を行い、また、Open RANネットワークの普及・啓発を行う調査研究の請負事業者を募集し、このたび、楽天モバイルと楽天シンフォニーUKによる本センターの開設と、通信インフラ機器の相互接続性等の評価等を行うという楽天モバイルの提案が、日英両国のグローバルな戦略的パートナシップにも貢献するものとして評価され、採択されました。

 今回新たにイギリスに開設する本センターでは、以下3点を実施していきます。

  • O-RAN ALLIANCEの定める仕様に準拠した通信インフラ機器の相互接続性等の評価
    O-RAN ALLIANCEの定める仕様に準拠し、楽天シンフォニーのO-DU(分散ユニット)と他の通信機器サプライヤーのO-RU(無線子局)等による接続確認検証を行うことにより、マルチベンダー環境下での機器の相互接続性等を評価。
  • 最新の Open RAN 技術を実演するための展示施設を設置
    最新のRU/DU/CU(集約ユニット)といったOpen RANのハードウェア/ソフトウェアに加え、次世代モバイルネットワークの業務効率化や新サービス提供に活用することができる様々なソリューションを展示。
  • ワークショップ等の実施
    Open RAN技術の普及・啓蒙を行う観点から、欧州地域等の通信事業者・通信機器サプライヤー等を対象とするワークショップ等を実施し、Open RAN関連の政策や最新の技術動向・取組等を紹介。

 楽天モバイル執行役員技術戦略本部長 兼 楽天シンフォニーのグローバルガバメントアフェアーズディビジョン シニアヴァイスプレジデントである内田信行は、次のように述べています。「Open RANカスタマーエクスペリエンスセンターをイギリスに設立し、Open RANに関する技術検証する環境をお客様に提供できることを光栄に思います。また、ヨーロッパおよび中東アフリカ地域でOpen RAN技術をけん引する地位を確立してまいります」

 楽天シンフォニーUKのマネージングディレクターであるナスタシ・カライスコスは、次のように述べています。「私たちは日本政府の支援に厚く御礼申し上げるとともに、Open RANに関する技術検証や啓発活動、技術をけん引していくために必要な基盤をイギリスに設立できることを大変嬉しく思います」

 なお、楽天モバイルは、すでに、国内においてOpen RANベースの商用モバイルネットワークを構築しています。また、Open RANの仕様策定を推進する国際的な団体である「O-RAN ALLIANCE」に加盟し、そのボードメンバとして、オープンでインテリジェントなRANに関するイノベーションや標準化に寄与しています。2022年8月には「楽天モバイルオープンイノベーションラボ」を開設し、仮想化Open RANの研究開発を加速させています。

 今後も楽天モバイルと楽天シンフォニーは、仮想化Open RANを推進することで、日本の通信技術の発展や通信サプライヤー多様化といった国の戦略の実現に貢献することに加え、モバイルネットワークの民主化を先導してまいります。

写真:楽天シンフォニーUKオフィス

(注)総務省とイギリスのデジタル・文化・メディア・スポーツ省の共同声明「通信サプライヤー多様化に向けた総務省と英DCMSの協力枠組みの立ち上げ」(2022年3月4日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000129.html

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