NTT法のあり方に関する見解について

- 国益・国民生活に影響を及ぼす懸念がある3つのポイント -

 KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社および楽天モバイル株式会社の3社(以下 3社)は、日本電信電話株式会社(以下 NTT)が2023年10月19日に発表した「NTT法のあり方についての当社の考え」(以下 NTTの考え)(注)に対する見解を表明します。

 現在、自由民主党や総務省で「日本電信電話株式会社等に関する法律」(以下 NTT法)のあり方について議論されていますが、国益・国民生活への影響の観点から、3社が特に重要な項目と考えるのは下記の3点です。

<NTT法の見直しによる国益・国民生活への重要な影響がある項目>

特に重要な項目

各項目が保たれない場合の懸念

公正競争

競争に伴うサービスの発展がなくなることによる、
料金の高止まりやサービスの高度化・多様化が停滞する懸念

ユニバーサルサービス義務
(あまねく日本全国での提供が確保されるべきサービス)

公社から承継した特別な資産を有するNTTの義務がなくなり、
サービス撤退が自由になることで、地方などの条件不利地域に
おけるサービス維持ができなくなる懸念

NTTの外資規制

公社から承継した特別な資産を有するNTTの株式の多数が
外国人・外国政府に所有されることにより、
わが国の基盤である通信インフラの安全保障を損なう懸念

 「NTTの考え」には、これらに関する現行の法制度の説明などに関する事実関係の言及不足や誤認を招く懸念がある記述が、下記のとおり見受けられます。

<「NTTの考え」における誤認を招く懸念がある記載>

3社の認識

NTTの主張

公正競争

公正競争に関する規定は、
電気通信事業法(設備貸出ルール)とNTT法(組織の規定)の両輪で機能する

公正競争に関する規定として、
電気通信事業法(設備貸出ルール)
のみに言及し、NTT法(組織の規定)の規定に触れていない

ユニバーサル
サービス義務

NTT法の「あまねく義務」=
「撤退できない」ことによる
電話ユーザーの利益保護
(NTT法廃止により利用者に不利益)

NTT法の「あまねく義務」=
「撤退できない」ことに触れず、
電気通信事業法に統合可能と主張

NTTの外資規制

・特別な資産を持つNTTを守るには、NTT法による外資規制が最も有効
・外為法による外資規制強化は海外からの投資促進政策に逆行

・NTT法でなくても外資から守れる
・外為法による外資規制強化を主張

 「NTTの考え」は、2023年10月19日に開催された自由民主党の「『日本電信電話株式会社等に関する法律』の在り方に関するプロジェクトチーム」に提出した資料と同一とのことですが、こうした内容について誤認を招く懸念がある状況の下でNTT法のあり方の議論が進められ、結果として、国益・国民生活を損ねることがあってはならないと考えています。詳細は別紙をご覧ください。

(別紙)NTT 法を巡る議論について

(参考)
2023年10月19日 楽天モバイル株式会社 プレスリリース
NTT法の見直しに関する要望書を提出
https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2023/1019_01/

(注)2023年10月19日 NTTプレスリリース「NTT法のあり方についての当社の考え」https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/10/19/231019a.html

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