楽天モバイルと楽天シンフォニー、大規模Open RAN商用ネットワークへのAIを活用したRIC導入を国内初で実現

- 2025年内の全国展開により約20%消費電力削減を目指し、環境に配慮したモバイルネットワークへ -

 楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)と楽天シンフォニー株式会社(以下「楽天シンフォニー」)は、AIにより無線アクセスネットワーク(RAN)を管理・制御する機能「RAN Intelligent Controller」(RIC)を、楽天モバイルが展開する大規模Open RAN商用ネットワークへ国内で初めて導入し(注1)、ネットワーク消費電力の削減を実現したことをお知らせします(注2)。2025年内に全国展開することで、まずは従来の同ネットワークと比較して約20%の消費電力削減を目指し、今後段階的に拡張しながら、環境に配慮したモバイルネットワークの運用に取り組んでまいります。

RIC導入のイメージ

RIC導入のイメージ

 従来ネットワークのRANにおいては、増え続けるトラヒックを処理するため消費電力が膨大となり、総電力の約80%を消費していました。このたび、楽天モバイルと楽天シンフォニーは、共同開発したRICを商用ネットワークに導入したことで、ネットワークにおけるトラヒックのパターン解析や需要予測を可能にし、特定の基地局の利用状況に応じた柔軟な制御によるネットワーク運用の効率化を実現しました。国内で4Gでも仮想化Open RANネットワークを構築している知見を生かすことで、通信業界において先進的な取り組みとして、5Gだけでなく4GネットワークにおいてもRIC導入に成功しました。

 楽天モバイルは2023年より、Open RANにおけるマルチベンダー間の相互運用プラットフォーム開発を進めることで、モバイルネットワークの運用コストを削減することに加え、ユーザー体験を向上させることを目的として研究開発に取り組んでいます。2024年11月には、RICによる消費電力削減に加え、ネットワーク機器の機械学習による低消費電力モードへの切り替えなどにより、ネットワークのエネルギー消費効率最大化に取り組み、プレプロダクション試験で約20%のエネルギー節約が可能であることを実証しています。

 両社は、今回開発・導入したRICにおいては、同プラットフォーム上のアプリケーションである「rApps」に機械学習(ML)アルゴリズムを搭載することで、トラヒックのパターン解析から、需要予測、基地局の使用率調整まで自動化を実現し、ネットワークの最適化を図っています。

 楽天モバイル代表取締役 共同CEO兼CTOであり、楽天シンフォニー代表取締役社長のシャラッド・スリオアストーアは次のように述べています。「楽天モバイルは設立当初より、クラウドネイティブかつソフトウェアベースの自動化されたインテリジェントなOpen RANネットワークの構築に取り組んできました。この取り組みにおいて、今回のRIC導入は重要なマイルストーンとなります。AIとOpen RANを活用することで、環境負荷を低減するだけでなく、より迅速かつ柔軟で、コスト効率の高いインフラを構築し、お客様に革新的なサービスを提供してまいります」

 また、今回の消費電力削減の成果は、楽天モバイルが2023年より開始している、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、読み方:エヌアイシーティー)による委託研究開発「Beyond 5G における高度RAN基盤を実現するOpen RAN無線通信技術の研究開発」(注3)、ならびに助成事業「次世代通信に向けたエッジクラウドの高度化技術に関する研究開発プロジェクト」(注4)の取り組みの一つです。

 楽天モバイルは、Open RAN仕様策定推進団体O-RAN ALLIANCE内の持続可能なネットワーク運用を推進するワーキンググループ「Sustainability Focus Group」(注5)において、共同議長として、基地局の省電力化やエネルギー消費の最適化等の仕様策定に関する取り組みも行っています。

 楽天モバイルと楽天シンフォニーは今後も、先進的な技術を活用してネットワークのエネルギー効率向上を進めていくことで、ネットワーク運用コストの削減に加え、CO2排出量の削減による環境負荷低減を目指してまいります。

 なお、楽天グループ株式会社と楽天モバイルは、環境・社会・経済に配慮した持続可能な社会を目指す「Go Green Together」プロジェクトの一環として、本商用ネットワークへのRIC導入を機に、楽天モバイル新規ご契約1件につき、「環境保全支援グリーン募金」に1,000円を寄付するキャンペーンを本日より開催しています(注6)。本募金は、気候変動対策や持続可能な社会づくりをはじめとする環境保全の取り組みに活用されます。

(注1)Open RAN技術を用いた4Gおよび5Gの商用ネットワークへのRIC導入において(楽天モバイル調べ、2025年5月27日時点のMNO3社の公式オンラインサイトに基づく)
(注2)RICの商用網への導入は、ネットワークの一部で開始し、2025年内に順次全国へ拡大予定です。
(注3)本研究開発における成果の一部は、NICTの委託研究(JPJ012368C06501)により得られたものです。
関連プレスリリース:楽天モバイル、Beyond 5Gに向けてOpen RAN高度化に必要なRICに関する研究開発を開始
https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2023/0228_01/
(注4)本研究開発における成果の一部は、NICTの助成事業(JPJ012368G50901)により得られたものです。
関連プレスリリース:楽天モバイル、NICT基金事業として次世代通信に向けたエッジクラウド高度化技術に関する研究開発を開始
https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/media/2023/1117_01/
(注5)「Sustainability Focus Group」は、O-RAN ALLIANCEが2023年5月に設立し、持続可能なネットワーク運用を推進するワーキンググループです。
(注6)環境チャリティーキャンペーン:
https://network.mobile.rakuten.co.jp/campaign/green-charity/
※キャンペーンにはエントリーが必要です。
関連プレスリリース:楽天と楽天モバイル、楽天モバイルお申し込み1件につき、環境保全グリーン募金に1,000円を寄付するキャンペーンを開催
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2025/0528_02.html

■楽天シンフォニーについて
楽天シンフォニーは、革新的なモバイルネットワーク技術を用いた通信プラットフォーム事業をグローバルに展開しています。楽天モバイル株式会社が世界でも先進的に商用利用を実現した大規模な仮想化Open RANネットワーク構築の知見を生かし、通信事業者向けのプラットフォームを含む次世代ネットワークの計画・構築・運用に必要なすべての機能を提供しています。楽天シンフォニーは日本に本社を置き、米国、シンガポール、インド、韓国、欧州、中近東アフリカ地域にも現地拠点を置いています。楽天シンフォニーの詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。
https://symphony.rakuten.com/jp

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