楽天モバイルと横須賀テレコムリサーチパーク、Open RAN高度化に必要なRICの研究施設を新たに開設
楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)と株式会社横須賀テレコムリサーチパーク(以下「横須賀テレコムリサーチパーク」)は、Open RANの高度化に必要なRIC(RAN Intelligent Controller)(注1)に関する研究施設(以下「本研究施設」)を2023年7月31日(月)に、横須賀リサーチパーク(神奈川県横須賀市、以下「YRP」)内に新たに開設しました。
本研究施設では、RIC開発用のエミュレータ等を配備し、トラフィック状況等に応じて楽天モバイルの試験用RAN環境を、RICを用いて制御することで、周波数の利用効率向上や省電力化、セキュリティ強化について検証します。楽天モバイルは本研究施設においてRICの研究開発を行い、横須賀テレコムリサーチパークはロケーションを提供することで、Open RANの高度化を促進し、Open RANの発展を目指します。さらに両社は、得られた知見をOpen RANの仕様策定推進団体「O-RAN ALLIANCE」やO-RAN仕様に基づく各種機器の試験・認証拠点「Japan OTIC」(注2)の活動に提案し、国際的なOpen RANの標準化等に貢献していくことも視野に入れています。
また本研究施設では、楽天モバイルの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを用いた検証環境を導入しており、楽天モバイルのパートナーである国内外の通信機器メーカー等が本研究施設に遠隔よりアクセスし、Open RANのインテグレーションの検証やRICに関するPoC(注3)を実施できます。また、汎用サーバーで動くOpen RANインテグレーション用のエミュレータソフトウェアを他の研究施設でも遠隔利用できるようにすることで、場所を問わず、様々な国・地域のパートナーとの共同研究開発環境を実現しスピーディーな研究開発につながります。
楽天モバイルはすでに、大規模なOpen RANネットワークの商用化を実現しています。また、代表研究者として取り組んでいる国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、読み方:エヌアイシーティー)の公募プロジェクト「Beyond 5G における高度 RAN 基盤を実現するOpen RAN無線通信技術の研究開発」(注4)において、RICに関する研究開発を行っています。本研究施設にて、RICの研究開発を率先して行うことで、商用ネットワークへの将来的なRICの活用検討や、同公募プロジェクトの研究開発への活用を予定しています。
横須賀テレコムリサーチパークは、YRP全体の発展・活性化を図ることを推進し、YRPにおいて電波を用いる次世代の通信技術の実証実験を進める上で必要となる基盤を提供する役割を担っております。本研究施設でも、この基盤を生かし、RICの研究開発に向け、ロケーション提供を行うことになりました。
楽天モバイルと横須賀テレコムリサーチパークは今後も、RICの研究開発を加速しOpen RAN技術の高度化を牽引するとともに、本研究開発で得られた知見をO-RAN ALLIANCEやJapan OTICへ展開することで、Open RANの発展に貢献できるよう尽力してまいります。
(注1)RICとは、RAN機能の制御と最適化を行うソフトウェアのことです。
(注2)O-RAN ALLIANCEが定める国際規格に基づく基地局等の機器の試験・認証拠点「Japan OTIC」を横須賀市に開設(2022年12月20日)
https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2022/1220_01/
(注3)PoC(Proof of Concept)とは、概念実証のことで、新たなアイデアやコンセプトの実現可能性やそれによって得られる効果などについて検証することです。
(注4)楽天モバイル、Beyond 5Gに向けてOpen RAN高度化に必要なRICに関する研究開発を開始(2023年2月28日)
https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2023/0228_01/
※O-RAN ALLIANCE、O-RANの名称は、O-RAN ALLIANCE e.V. の商標または登録商標です。
※Japan OTICの名称は商標または登録商標です。
※本お知らせに掲載の商品名称やサービス名称などは、一般に各社の商標または登録商標です。
※本お知らせにおける各社の商標記載においては、™や®などの商標表示を省略する場合があります。
以上
※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。