楽天モバイル、NICT基金事業として次世代通信に向けたエッジクラウド高度化技術に関する研究開発を開始

 楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、読み方:エヌアイシーティー)が実施した「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業 令和 5 年度社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム」の公募において、「次世代通信に向けたエッジクラウドの高度化技術に関する研究開発プロジェクト」が採択されましたので、お知らせします。本基金事業として、2023年11月から5Gの次の通信規格「Beyond 5G」に向けたエッジプラットフォーム機能の高度化に関する研究開発(以下、「本研究開発」)を開始しました。本研究開発により、Beyond 5G時代に向けて増大する通信量に対し、エッジプラットフォーム機能を強化することで、エッジクラウドにおける安定的なサービス提供を目指します。

 エッジクラウドは日本全国へ通信エリアを展開することによって数千ヵ所に拡大しており、セントラルデータセンターでの膨大なデータの集中管理が課題となっています。また、エッジデータセンターでは物理的なスペースが限られており、アプリケーション向けのリソースを潤沢に配備できないため、セントラルデータセンターとの連携がより必要となります。

 本研究開発では、エッジデータセンターとセントラルデータセンターの連携強化やエッジプラットフォームにおける処理能力の向上、コンテナ(注1)と仮想マシン(VM)の統合運用に関する技術開発に取り組んでまいります。また、Beyond 5Gを見据えた将来のマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)のユースケース向けプラットフォームの低遅延化や性能強化により、自社のネットワークにおける技術の有効性を実証します。楽天モバイル傘下の楽天シンフォニー株式会社(以下「楽天シンフォニー」)を通じてグローバルに展開するプラットフォーム「Symworld™ (注2)」のプロダクトにもこれら技術を組み込むことで、世界中の企業へも提供してまいります。

■本研究開発の内容

エッジデータファブリックの機能強化(注3)
物理的なスペース・サーバーリソースが限られたエッジデータセンターとリソース融通性の高いセントラルデータセンターを連携することで、エッジの高度な性能要件を満たしつつ、柔軟なリソース融通による運用の効率化を目指します。

②エッジプラットフォームの最適化
エッジに最適化された軽量のエッジプラットフォームを開発し、CPUやメモリなどの単位リソースあたりの処理能力向上により、アプリケーションに割り当て可能なリソースを増やすことで、効率的な運用を図ります。また監視機能を拡充し、より迅速な影響特定・復旧を可能にすることで、限られた予備リソースの範囲内での高い信頼性確保を目指します。

③仮想化基盤の統合運用技術の研究開発
仮想化基盤上で動作する多種多様なアプリケーションの実装形態が仮想マシン(VM)からコンテナに移行しつつある過渡期において、コンテナとVMの同一基盤上での統合運用を可能にすることで、運用品質・コスト効率の向上を図ります。

■本研究開発の実施期間
2023年11月~2027年11月(予定)

 楽天モバイルは本研究開発を通じて、エッジクラウドにおける安定的なサービス提供を目指し、日本の国際競争力向上に必要な通信技術の発展とBeyond 5Gにおける新たなサービスの実現に寄与してまいります。

(注1)コンテナ技術とは、OS(オペレーションシステム)上に他のプロセスからは隔離されたアプリケーション実行環境を構築することで、仮想的な動作環境をより少ないコンピュータリソースで実現する技術です。
(注2)Symworld™は楽天シンフォニーが提供する次世代の通信プラットフォームです。詳細は同社Webサイトをご覧ください。
https://symphony.rakuten.com/automation/a-single-platform(英語のみ)
また、Symworldは、シンガポールおよびその他の国や地域における楽天グループ株式会社またはその子会社の商標です。
(注3)データファブリックとは、複数の場所やデータの種類、データソースを接続して、データにアクセスするための方法を提供する、アーキテクチャ・技術です。

※本おしらせに掲載の商品名称やサービス名称などは、一般に各社の商標または登録商標です。
※本おしらせにおける各社の商標記載においては、™や®などの商標表示を省略する場合があります。


以上

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