楽天モバイル、NEDOが公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、2件の研究開発に採択

- 仮想化5 G無線アクセスネットワークの高度化とネットワーク運用の自動化についての研究開発および商用展開を推進 -

 楽天モバイル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:山田 善久、以下「楽天モバイル」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization、以下「NEDO」)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の研究開発項目のひとつである「ポスト5G情報通信システムの開発」における開発テーマとなる「仮想化基地局制御部の高性能化技術の開発」および「クラウド型ネットワーク統合管理・自動最適化技術の開発」に応募し、各テーマにおける研究開発を2020年6月29日に採択されたことをお知らせします。

 このたびNEDOより採択された研究開発では、第5世代移動通信システム(以下「5G」)用の仮想化された無線アクセスネットワーク(RAN)の高度化や、ネットワーク運用の自動化についての技術開発を行います。また、研究開発の成果を用いて5Gネットワークにおけるデータ通信およびネットワーク運用を効率化することで、より高品質なネットワークサービスの提供とグローバルでの商用展開を実現していきます。具体的な研究開発内容は以下の通りです。

■実施内容: 仮想化5G無線アクセス装置の研究開発

  • 開発テーマ: (c1)「仮想化基地局制御部の高性能化技術の開発」
  • 概 要: ポスト5G時代を見据え、仮想化5G無線アクセスネットワークの機能拡張を行います。仮想化環境上にStand Alone方式の5Gネットワークを構築するうえで最適な基地局制御に関する技術開発に取り組み、ネットワークスライシング(注1)を早期に実現します。また、仮想化ネットワークで発生するオーバーヘッド(注2)の削減を目的に、仮想化基地局制御部の処理の最適化や3GPP(注3)が規定する最新機能に対応するための機能拡張も行います。これらにより、非仮想化環境の5Gネットワークと比較し、5G基地局における同時多数接続数を3倍以上に増やすだけでなく、ネットワークの導入・運用コストを3割以上削減することを目指します。また、研究開発の成果を、楽天モバイルが構築を進めるモバイルネットワーク用コンテナプラットフォーム「Rakuten Communications Platform」(以下「RCP」)のRANに適用することにより、RCPの機能拡張を図ります。
  • 期 間: 2020年7月から2023年6月末(予定)

■実施内容: クラウド型ネットワーク統合管理・自動最適化技術(OSS/MANOのソフトウェア)の研究開発

  • 開発テーマ: (a2)「クラウド型ネットワーク統合管理・自動最適化技術の開発」
  • 概 要: エンドツーエンド(注4)のネットワークスライシングをオーケストレーション(設定、管理、調整の自動化)するための技術開発を行います。また、AIを用いた異常発生予測、問題発生時の主原因特定、ネットワークリソースのリアルタイムでの最適化等の技術を開発し、オーケストレーションの高度化に活用します。これらの研究開発の成果を用いて、RCPのインフラ基盤やRCP上で稼働するモバイルネットワーク用アプリケーションの動作管理、ネットワーク全体の運用効率化を目指します。
  • 期 間: 2020年7月から2022年9月末(予定)

 「ポスト5G情報通信システム」は、将来的な情報通信ネットワーク分野での国際競争力の中核となることが期待されている技術です。楽天モバイルは、世界初となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワーク(注5)を構築し、2019年10月より商用サービスとして稼働を開始しました。その知見を生かして構築を進めるRCPは、国内外の通信事業者や他産業の事業者にも展開する予定です。

 楽天モバイルは、今後、今回の研究開発を通じてRCPの高度化を行い、お客様により良いネットワークサービスを提供するとともに、日本の国際競争力向上に必要な通信技術の発展に寄与してまいります。

(注1) ネットワークを用途に応じて仮想的に分割すること。
(注2) 仮想化技術を用いることにより発生する付加的データ処理のこと。
(注3) 3GPP(Third Generation Partnership Project)とは、世界の通信事業者やベンダーによる移動通信関連の技術仕様の標準化団体です。
(注4) 携帯端末からモバイルネットワークを経由し、別の携帯端末まで通信する経路のこと。
(注5) 大規模商用モバイルネットワークとして(2019年10月1日時点)/ステラアソシエ調べ


以上

※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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