楽天モバイル、Beyond 5Gに向けてOpen RAN高度化に必要なRICに関する研究開発を開始
楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)は、5Gの次の通信規格「Beyond 5G」を見据えてOpen RANの高度化に必要なRIC(RAN Intelligent Controller)アプリケーションと稼働するプラットフォームの開発(以下「本研究開発」)を開始しました。楽天モバイルは、本研究開発により、周波数利用効率の向上、基地局の省エネ化、および、安全かつ高信頼なOpen RANを実現していきます。なお、本研究開発は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、読み方:エヌアイシーティー)が公募した「Beyond 5G における高度 RAN 基盤を実現するOpen RAN無線通信技術の研究開発」の研究開発項目1と3を実施するものです。
Beyond 5Gにおいては、通話やデータ通信の用途に留まらず、IoTや仮想現実(VR)など様々な分野でモバイルネットワークが活用されることが予想されています。モバイルネットワークに対する多様化するニーズに応じるためには、ネットワークの大部分を構成する無線アクセスネットワーク(RAN)を効率良く制御することで、周波数利用効率の向上、省電力化、セキュリティ強化などの高度化が求められます。
楽天モバイルが採用しているオープンな標準に基づくマルチベンダー構成の無線アクセスネットワーク(Open RAN)においては、複数ベンダーの設備をAI(人工知能)やML(機械学習)を活用し効率よくRAN制御するRICと呼ばれるインテリジェンスを持った制御技術が重要な役割を担います。本研究開発において、楽天モバイルは、RICアプリケーションと稼働するプラットフォームを開発し、効率の良いRAN制御技術を実現し、Beyond 5Gを見据えた、より安定した高品質なネットワークの提供を目指します。
■本研究開発の内容
- Open RANのコンポーネントであるRU(無線ユニット)・DU(分散ユニット)・CU(集約ユニット)を制御するRICアプリケーション、RICアプリケーションが稼働するプラットフォーム、RICアプリケーション間のインタフェースを開発します。これにより、周波数の利用効率を向上させます。また、Open RAN全体のセキュリティ強化も目指します(注1)
- RICアプリケーションを利用してOpen RANの各コンポーネントを制御するアルゴリズムやメカニズムを開発し、エッジクラウドの消費電力を抑えるアルゴリズムを開発します。またRANの電力制御だけでなく、ネットワーク全体の消費電力削減につながる実証実験も実施します(注2)
■本研究開発の実施期間
2023年2月~2026年3月(予定)
楽天モバイルは本研究開発を通じて、RIC制御を実現することで得られた知見をO-RAN ALLIANCE(注3)の活動に提案していくことで、国際的な標準化を主導し、日本の国際競争力向上に必要な通信技術の発展とBeyond 5Gにおける新たなサービスの実現に寄与していきます。
(注1)「Beyond 5G における高度 RAN 基盤を実現するOpen RAN無線通信技術の研究開発」の研究開発項目1「Open RANの高信頼・セキュアなインテリジェント化のためのセクタ管理効率化に関する研究開発」
(注2)「Beyond 5G における高度 RAN 基盤を実現するOpen RAN無線通信技術の研究開発」の研究開発項目3「アンテナ送信制御とOpen RANの電力制御最適化による周波数利用効率向上の研究開発」
詳細は以下ウェブページをご覧ください。
https://www.nict.go.jp/publicity/topics/2023/01/13-2.html
(注3)O-RAN ALLIANCEとは、相互運用可能でオープンな無線アクセスネットワーク(Open RAN)の仕様策定を推進する国際機関。URL: https://www.o-ran.org/(英語のみ)
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