楽天、「楽天Open RAN カスタマーエクスペリエンスセンター」を開設し始動

- 日本の総務省の予算事業の採択を受け、日英の通信技術におけるパートナーシップに向けて前進。両国の次世代モバイルネットワーク構築に対するビジョンを体現 -

 楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)、楽天シンフォニー株式会社(以下「楽天シンフォニー」)、Rakuten Symphony UK LTDの三社(以下「楽天」)は、2023年3月28日に、イギリス国内に「楽天Open RAN カスタマーエクスペリエンスセンター」(以下「本センター」)を開設しました(注1)。

 本センターの始動を記念し、開所当日に日本の総務省およびイギリスの科学・イノベーション・技術省(DSIT)、欧州電気通信事業者協会(ETNO)からパネリストをお招きして、開所式を兼ねたOpen RAN普及啓発のためのワークショップを行いました。本センターは、日英の技術協力およびオープンな規格に準拠した無線アクセスネットワーク(Open RAN)の欧州での成長を目指す取り組みの一環であり、日本の総務省とイギリスの科学・イノベーション・技術省(注2)が取り組む通信事業者の多様化を図る政策に基づいています。


本日イギリス国内で開設した「楽天Open RAN カスタマーエクスペリエンスセンター」

 本センターは、新規および既存の通信ネットワークにおけるOpen RANの実現可能性を確認するうえで、相互運用性テストを行うための欧州拠点の機能を果たします。本センターでは、最新のOpen RANのハードウェアとソフトウェアや、次世代モバイルネットワークを活用した業務効率の向上を図るほか、新たなサービスの実現に向けたワークショップやイベントの開催も行っていきます。また、欧州と中東における通信事業者や業界のベンダーを招待し、安全でオープンかつ透明性の高い5Gネットワーク構築を可能にするOpen RAN技術の進歩をテストしていく予定です。

 楽天モバイルは、Open RANベースで構築した世界初(注3)の完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを用いて日本国内でサービスを提供しています。また、楽天モバイルでは、楽天シンフォニーが提供する仮想化、自動化、オープンアーキテクチャにより、従来の方法と比較して、設備投資費を約40%、運用費を約30%削減することができています。

 従来のようにベンダーが固定されたネットワークとは異なり、Open RANでは、複数のベンダーから様々なネットワーク部分の提供を受けることができます。ネットワークはソフトウェア・ドリブンで、オープンスタンダードに基づき汎用サーバーを利用したクラウド上で動作します。ネットワークの更新はソフトウェアの更新のみで行うことができるので、通信事業者は、顧客向けサービス追加のために、次世代まで待つ必要がなくなります。

 日本の総務省国際戦略局国際経済課情報通信国際戦略交渉官の成瀬由紀氏は、次のように述べています。「総務省を代表して、私は、日本とイギリスが技術連携を強める中で、『楽天Open RAN カスタマーエクスペリエンスセンター』の開設が英国及びヨーロッパにおけるセキュアでスマートな5Gの発展にとって極めて重要な意味を持つと信じています。本センターが、通信のサプライチェーンの多様化に貢献し、欧州をはじめ世界におけるOpen RANの認知度向上に貢献することで、日本や海外のサプライヤー間の相互運用性を高めることを期待します」

 楽天モバイルと楽天シンフォニーのCEOを務めるタレック・アミンは、次のように述べています。「このたび、イギリスで『楽天Open RAN カスタマーエクスペリエンスセンター』を開設できることを嬉しく思います。通信のサプライチェーンにおける多様性への需要が高まる中、本センターは、 Open RAN とモバイル通信事業者の運用効率と持続可能性を向上させる楽天シンフォニーのソリューションについて研究するうえで不可欠な存在となることを目指します。日本とイギリスは、共にデジタル領域において大きなポテンシャルがある国であり、今回の投資は欧州地域のイノベーションに貢献できるものとなると考えています」

 イギリスの科学技術革新省(DSIT)閣外大臣のJulia Lopez氏は、次のように述べています。「イギリスでは、通信ネットワークの安全性と耐障害性を高め、限られたサプライヤーへの依存を避けるため、2億5,000万ポンドをかけて戦略を展開しています。楽天グループや日本政府とのパートナーシップを通して、この世界的な課題への解決策を開発することを目的とした最先端の施設がイギリスに開設されることになり、大変嬉しく思っています。私たちは共に、多様で革新的な5G技術を加速させ、人々の生活をより便利にし、経済を成長させ、イギリスが技術科学大国であり続けることに貢献していきます」

 本センターのイギリスにおける開設は、楽天モバイルと楽天シンフォニーにとって、2022年8月に東京で開設した「楽天モバイルオープンイノベーションラボ」に続く施設の開設となります(注4)。2022年12月には、楽天モバイルは、O-RANソリューションの相互運用性を確保し国際標準に基づく試験・認証の拠点「Japan OTIC」の設立にも参画しています(注5)。また、2020年より「O-RAN ALLIANCE」に加盟し、革新的でオープンかつインテリジェントなRANの技術開発とグローバルな普及に貢献するための努力を続けています。

(注1)参考:プレスリリース「楽天モバイルと楽天シンフォニー、Open RAN技術の展示施設「Open RANカスタマーエクスペリエンスセンター」をイギリスに開設」https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2022/1121_01/
(注2)デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)から名称変更
(注3)大規模商用ネットワークとして(2019年10月1日時点)/ ステラアソシエ調べ
(注4)プレスリリース「楽天モバイル、仮想化Open RANの技術検証を可能にする「楽天モバイルオープンイノベーションラボ」を開設」https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2022/0823_01/
(注5)プレスリリース「O-RAN ALLIANCEが定める国際規格に基づく基地局等の機器の試験・認証拠点「Japan OTIC」を横須賀市に開設」https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2022/1220_01/

 

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