楽天モバイルとノキア社、820kmの商用伝送路で1Tbps/波長の伝送記録を達成

　楽天モバイル株式会社（以下「楽天モバイル」）とノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社（以下「ノキア社」）は、全長820kmの商用伝送路を用いて、長距離・超高速データ伝送に関する実証実験を行い、単一波長で1Tbpsの伝送記録を達成しました。

　本実験はAPAC（アジア太平洋）地域において最長820kmとなる区間で初めて実施されました（注1）。ノキア社の第 6 世代スーパーコヒーレントフォトニックサービスエンジン （PSE-6s）光技術（以下「PSE光技術」、注2）を、楽天モバイルが商用運用しているノキア製 DWDM （注3）に実装し、ノキア社の長距離・超高速データ伝送処理機能と楽天モバイル・ネットワークの高い拡張性、効率的な帯域利用を実証しました。

　今回の実証実験により、ノキア社の最新のPSE 光技術を使用することで、楽天モバイルは、自社のネットワークに導入されている前世代PSE光技術と比較して、スペクトル効率およびファイバー あたりの最大容量を 25% 向上させることが可能であることを確認しました。また、実証結果によると、ビットあたりの電力を最大 50% 削減可能であり、ネットワークの電力消費を抑えつつネットワーク容量拡張を実現することができます。

　楽天モバイル執行役員で副 CTO兼モバイルネットワーク本部長 である竹下 紘は次のように述べています。「この実証実験結果にはとても満足しています。この実証された技術により、電力効率を向上させつつファイバー容量の最大化を実現することができます。この容量の増加により、帯域を大量に要する様々な5G サービス、広帯域を必要とするエンタープライズ案件の要望をこれまで以上に満たすことができるようになります。この成果は、楽天モバイルのネットワーク開発目標と一致しています」

　ノキア社のシニアバイスプレジデント兼光ネットワーク事業部ゼネラルマネージャーのジェームス・ワット氏は次のように述べています。「楽天モバイルと提携して、この驚くべき 1 Tbps 単一波長伝送記録を達成できたことを誇りに思います。当社の PSE-6s スーパーコヒーレント光技術は、並外れた拡張性と最高のパフォーマンスを実現します。 エネルギー効率の向上により、楽天モバイルは省エネルギー化を図り、広帯域幅の 5G サービスの需要と企業のニーズを満たすためにネットワーク容量を増やすことができます」

（注1）2024年1月25日に、APACでは海底ケーブルを含む伝送路として最長となる820kmにて初めて実施（ノキア社調べ）。
（注2）ノキア社の第 6 世代のスーパーコヒーレントフォトニックサービスエンジン (PSE-6s)とは、同社が開発した最新のデジタルコヒーレント光通信用チップです。
https://www.nokia.com/networks/optical-networks/pse-6s/ （英語のみ）。
（注3）DWDM（Dense Wavelength Division Multiplexing：高密度波長分割多重）とは、1本のファイバーに波長の異なる複数の光信号を多重して伝送する通信技術です。

■ノキア社について
ノキアは、世界が共に行動するためのテクノロジーを創造します。
B2Bのテクノロジーイノベーションのリーダーとして、モバイルネットワーク、固定ネットワーク、クラウドネットワークの分野にわたってノキアの製品やサービスを活用することで、知覚、思考、行動するネットワークを切り拓いていきます。さらに、数々の受賞歴のあるノキアベル研究所による長期的な研究や知的財産によって新たな価値を創り出します。世界各国の通信事業者、企業、パートナーは、安全で信頼性が高く、持続可能なネットワークを提供しているノキアに信頼を寄せ、ノキアとともに未来のデジタルサービスとアプリケーションを開発しています。

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